今回は細田守監督の「未来のミライ」を見て思った事や細田守さんのことについて書き留めていきます。タイトルの「好きくない!」は甘えん坊のお兄ちゃん”くんちゃん”が多く言っていた台詞で特に深い意味はありません。
新宿バルト7未来のミライカフェエリアの写真
目次
未来のミライ
登場人物
キャラクター | キャスト |
くんちゃん | 上白石 萌歌 |
ミライちゃん | 黒木 華 |
おとうさん | 星野 源 |
おかあさん | 麻生 久美子 |
謎の男 | 吉原 光夫 |
ばあば | 宮崎 美子 |
じいじ | 役所 広司 |
青年 | 福山 雅治 |
ストーリー
4歳児の甘えん坊くんちゃんに生まれたばかりの妹がやってきて、いままで独占していた両親の愛情を妹に奪われ嫉妬してしまう。家の庭で未来から来た不思議な少女”ミライちゃん”との出合いから始まり、くんちゃんは過去から未来へと時空を超え様々な体験をする。次第にくんちゃんは命とは、家族の大切さを感じ取り成長する物語。
オープニングテーマ
曲名は「ミライのテーマ」
オープニングテーマを担当するのは”サマーウォーズ”以来二度目となる山下達郎。
細田さんは「今回は子供が主人公なので、跳ね上がるような、楽しい曲をお願いします。」と伝えたところ楽しいだけではなくカッコよくて作りこまれた曲が上がってきた!と興奮したようです。
未来のミライ コラボ
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演出ポイント
入道雲
細田守監督といえば夏。各作品でも夏の入道雲を取り入れ、雄大な姿に成長を重ねている。
細田さんのコメント「入道雲があるとさ、空がダイナミックだよね。夏場に人間は成長すると思うんで、本当に。夏の暑い中で人間一皮むける何か重要な一日とかさ、重要な体験ってのはあると思うんで。それと入道雲ってすごくセットになっているような気がしますよね。」
未来のミライでも入道雲が描かれていました。
高低差
くんちゃんの家は「段差」がポイント。すべて見渡せる広い空間を描きたかった、今回は家のデザインは美術監督ではなく建築家の人にお願いした。家の広さはどうしても横の広がりが多くなる事があるが段差を取り入れることで高低差ある映画的なダイナミズムを実現できた。
細田さんのコメント「時をかける少女だって平地では作れない映画というか、坂道があるから”時をかける少女”だっていう。高低差が映画のダイナミズムには必要だという時に家の中がすでに坂道だというのは面白いと思うんですよね。」
細田守の夏が来た
「時をかける少女」2006年公開
「サマーウォーズ」2009年公開
「おおかみこどもの雨と雪」2012年公開
「バケモノの子」2015年公開
「未来のミライ」2018年公開 新作
Huluにて8月31日までの抽選プレゼントキャンペーンと9月30日まで「おおかみこどもの雨と雪」「サマーウォーズ」が配信中です。
Hulu
これまで細田守さんは3年毎に新作を公開してきました。
過去に放送されたNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」にて細田守さんの軌跡が語られていました。
「時をかける少女」は注目されることなくわずか6つの映画館で公開がスタートされた。その後口コミなどの評判が広がり大ヒットした。
父親と撮った写真はわずか一枚。鉄道会社で働く父親は仕事で家庭を顧みず親子の関係は希薄だった。その溝を埋めることができないまま細田が30歳の時に父は急病で亡くなった。(バケモノの子「熊徹」には細田自身の父への思いが込められていた。)
細田さんのコメントで「思い返すと、なんかもっとあれこれ親父と話せばよかったなとか、気持ちがすれ違ってねクッソーと思ったりとか、そういうこともっとやればよかったなって。その後悔っていうのをなんか、何らかで埋めなきゃと思ってるんじゃないかな。」
細田守監督の多くの作品で家族がテーマになっている理由が見えました。
未来のミライを見た感想
ここからは個人的な感想になります。ネタバレ要素も含まれるのでお気を付けください。
2018年7月20日公開初日に見に行き、他のレビューを考慮してない状況で見終えた正直な感想は、くんちゃんの成長を助けた時空を飛んで体験した各シーンが異なる設定だった為か、それぞれに時間を振りすぎて深い感動を感じませんでした。最終的に妹ミライちゃんや家族を思いやる気持ちが生まれた事に繋がる過程では必要な部分にあたるように思えますが。
それでも補助なしの自転車に挑むシーンは自分の思いでと照らし合わせたりして感慨深いものを感じたり、自転車に乗れるようになった息子の成長を喜ぶ父親や、ひいおじいさんのシーン命の大切さや、自分が誕生するとは?を考えさせられたり気づかせてもらえる場面もありました。
きっと子育てを経験した方から見ると子供の成長を思い出し深く感動して高い評価がつくのかと思われます。初日が終わり各サイトやSNSの反応を見てみると予想通り評価数値は良くはありませんでした。
また長男長女視点でも多少思い入れが増し共感部分があると思います。僕は長男なのですが、ラストシーンくんちゃんがミライちゃんにバナナを渡してからエンディングを迎える場面までが一番グっと来た場面でした。
そして題名が「未来のミライ」ですが思っていたよりかは未来のミライちゃんとの絡みも少なかった印象です。
結果的に僕の中では細田守監督ということもあり期待値が上回ってしまったのかなっと思いました。